学生時代、そこそこ長く京都にいた。
ある秋、龍安寺の方を訪れた
他も回っていたので割と時間が遅くなってしまい、日暮れ近くなっていた
龍安寺は京都盆地の北西の端あたりにある寺だ
京都は中心部こそ街中だが、盆地の縁に近くなると、山里じみた景色になっていく
夕暮れ時、11月の肌寒い風に吹かれつつ参道を行く
もう一枚カイロを貼っておけばよかった
つと道を曲がり、西に向かう
顔を上げ、思わず目を見開く
橙色の夕焼け空と、葉が落ちて痩せた木々のシルエットが広がる
秋の夕暮れ、湿った土と枯れ木のにおい
きれいな景色なのかはわからないけれど、覚えておこう、と思った
今よりずっと未来に希望があったころの話。
今いる場所は、そもそも近くに山などないし、あったとしてもビルで見えないし、木といえば街路樹があるくらいだ。
あんな風に秋を味わうことはできない。
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